投資のイメージについて、「お金持ちがするもの」「ギャンブルみたいなもの」「リスクが高い」「怖い・危険」などのネガティブなイメージを持つ方が、まだまだ多いように感じます。また、日本人はおカネについて真剣に考えたり、みんなの前や家族の前でおカネの話をすることを避ける傾向があります。私自身、大切な友人・兄弟・子供達におカネについて正しい知識を身に付けてもらいたいと思っていますが、そこに立ちはだかる壁があるように感じています。そこで、『肉球街のランダムウォーカー』を読めば投資について正しく理解できる。大切な人たちに、そう思ってもらえるような記事を書き続けていきたいと思います。
投資とギャンブルの違い
『投資なんてギャンブルと同じ!』と思っている人がまだまだ多いように感じています。では、具体的に投資とギャンブルの違いは何でしょうか?
第1に、大きな違いは、胴元がいるかいないかということです。競馬、競輪、パチンコ、宝くじなどのギャンブルには場の主催者(=胴元)がいます。それぞれのおおよその還元率は、競馬(70~80%)、競輪(75%)、パチンコ(80~85%)、宝くじ(46%)となっています。つまり、主催者は集めたお金から、運営費(=胴元の取り分)を差し引いて、残りを当選者等に分配するのです。つまり、還元率から考えると宝くじは買った瞬間に半分お金がとられているという事になります。
これに対し、投資とは利益を見込んでお金を出すことで、株式や投資信託などを購入することなどです。投資にはお金を出した瞬間に運営費を差し引くような胴元はいません。投資先の企業は、集めた資金を事業に投じ、その企業活動を通じて利益を生み出し、うまく利益が出れば投資家は配当を得たり、株価の値上がりによって資産を増やすことができます。
まとめると、ギャンブルとは参加者から集めた掛け金を奪い合う方法といえます。しかも主催者(=胴元)の取り分を差し引きます。そのため、参加者全員で考えると必ずマイナスになる仕組みです。次に、投資は投資先の成長を見込んでお金を出し、その投資先が成長すれば投資家全員がプラスになる可能性もあります。ギャンブルも投資も、元本が保証されないという意味では同じですが、一般的に期待できる収益率は投資の方が高い、と言えます。
「金融リテラシー調査2022年」によると、金融教育を学校等で受けた人の割合は、米国が20%であるのに対し、日本はわずか7%と1割にも達していません。その影響からなのか、金融知識に自信がある人の割合も、米国では71%と過半数を大幅に上回っているのに対し、日本は12%とおよそ1割に留まっているそうです。(金融広報中央委員会 知るぽると「金融リテラシー調査2022年」の結果 より)
日本の金融教育が進まない理由
- お金の話がタブー視されている
- 金融教育にかける時間が少ない
- 投資など金融商品への消極性
金融教育の先進国とされる米国では、1960年代には学校における消費者教育がスタートし、1970年代からは全国規模での経済教育を展開するなど、早い段階から自立を促す実践的な教育がカリキュラムに組み込まれてきました。
日本でも、新NISAなどを契機に投資への関心が高まっており、これまで以上に金融教育の重要性が増していると感じます。少しずつでもマネーリテラシーを高めて、これから来るであろう、さらなる格差社会に立ち向かえる力を身に付けていきましょう。
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